動画広告、ブランディング広告の効果測定「ブランドリフト調査」の解説

ブランディング広告の効果測定手法がブランドリフト調査

著者は一応調査会社の人間なので、たまにはリサーチのことも書きたいと思います。

ディスプレイ広告の2つの役割と効果測定方法で書きましたが、広告にはダイレクトレスポンスを目的とした広告とブランディングを目的とした広告の2種類があります。今回はブランディングを目的とした広告の効果測定手法として「ブランドリフト調査」の方法を説明します。

下図はダイレクトレスポンス広告とブランディング広告の「ミッション」「主なクリエイティブ」「評価指標」「効果測定方法」を整理しています。ダイレクトレスポンスの計測方法はWeb上の行動履歴の集計で行えるのに対し、ブランディングはユーザーの意識の変化を計測する必要があるため、リサーチが必要であることが分かります。

ダイレクトレスポンスとブランディングの効果測定

多くの動画広告がブランディングを目的として実施されるので、ブランドリフト調査は動画広告の効果測定手法として多く用いられています。

ブランドリフト調査の方法

調査実施のフロー

ここからはマクロミルのデジタルログリサーチ「AccessMill」を使ったブランドリフト調査について解説します。

アクセスミルの仕組み

  1. 広告を掲載したい企業がメディアや広告会社に広告掲載を依頼します。
  2. メディアや広告会社から調査会社が調査依頼を受けます。
  3. 広告と一緒に呼び出してもらう(PiggyBack)ための調査用のタグを発行します。
  4. 広告を配信します。この時に調査会社から発行したタグが広告インプレッションの際に発火するように設定します。
  5. 自然なネット利用でユーザーがWebサイトに訪問します。
  6. 【3】で発行した調査用のタグが広告表示と同時に発火し、調査会社のサーバーに広告閲覧者の情報が送られます。
  7. 調査会社のモニタの中で広告接触者を抽出し、かつ同じ属性の広告非接触者も抽出します。
  8. 【7】で抽出した広告接触者、広告非接触者に対してアンケートを実施します。

ブランドリフト調査のアウトプット

この広告接触者と非接触者の回答の差がブランドリフト値となり、広告がブランディングに寄与したか分かるのです。純増分のみを効果として計測するため、納得感のある効果測定方法です。広告に接触したことによって態度変容がどのように生じたかという効果測定の他に、Webサイトの訪問者の属性や、流入元、離脱要因等の分析などにも活用されています。

動画広告の効果測定について、例えば、TrueView動画広告の場合、視聴開始、スキップ、課金ポイントまでの視聴など、動画の視聴状況によるブランディング効果の計測が可能です。

動画広告のブランディング効果計測

また、広告ごとにパーチェスファネルのどこで落ちているかをリサーチする際にも利用されます。

広告認知・興味・好意・購入意向

広告以外では、オウンドメディア訪問者のプロファイル作成やターゲット層を多く来訪させている流入元の把握する際も用いられます。

オウンドメディア訪問者のプロファイル把握

【事例】リサーチ結果を広告配信に活かす ~ターゲットオーディンエンス含有率の把握~

リサーチの概要

ターゲットオーディエンス含有率

リサーチしてもそれをアクションに繋げなければ何の意味もありません。下記はリサーチ結果を実際に広告配信に活かした事例です。

このクライアントは「30-45歳の女性」「ハイブランド好き」「海外コスメ好き」というターゲットオーディエンスが決まっていました。このターゲットオーディエンスに広告で効率よくリーチすることがKPIの1つとなっていました。

この「30-45歳の女性」「ハイブランド好き」「海外コスメ好き」というオーディエンスセグメントがDSPに存在していれば良かったのですが、そのようなドンピシャなセグメントはありません。そこで、これらのオーディエンスが多くいるであろう「化粧品カテゴリ」「ファッションカテゴリ」というオーディエンスセグメントを選択して、これまで広告配信を行っていました。

リサーチ結果

リサーチを活用すれば、DSPが保有するオーディエンスセグメントに欲しいターゲットオーディエンスがどの程度含まれるのかを調べることができます。このクライアントの場合、「化粧品カテゴリ」「ファッションカテゴリ」にターゲットオーディエンスが何%いるかリサーチしたのですが、結果は化粧品で79%、ファッションで65%でした。

リサーチ結果をアクションに繋げる

ターゲットオーディエンス含有率が低いファッションカテゴリへの広告配信は中止になりました。一方で他のオーディエンスセグメントを調査したところ、「通販カテゴリ」「旅行カテゴリ」にターゲットが多く含まれることが分かり、新たなオーディエンスへの広告配信が実施されるようになりました。

上記はオーディエンスデータの精度を検証し、広告配信に活かした事例でした。オーディエンスデータの内容を鵜呑みにせず、配信対象が合っているか確認しつつ、適切なユーザーにリーチしていくことがブランディング広告では重要です。

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この記事の著者

広瀬 信輔(ひろせ・しんすけ)

マーケティング情報サイト『Digital Marketing Lab』の運営者。

1985年、長崎県佐世保市生まれ。西南学院大学 経済学部 国際経済学科 卒業。

2008年、株式会社マクロミルに入社。現在は同企業のオンラインマーケティング部門の責任者として、デジタルマーケティングを推進。

株式会社イノ・コード 取締役 CMOも務める。

2017年、ディーテラー株式会社を創立。メディアプランニング、Web広告運用、SEO対策、Webサイト制作など、デジタルマーケティング領域のコンサルティング及びアウトソーシングサービスを提供。ビジネスメディアでのコラム執筆やイベント出演、大手企業のマーケティングを支援。

著書:『アドテクノロジーの教科書』(版元:翔泳社)

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