リワード広告、アフィリエイト広告、ブースト広告の違いを解説

リワード広告やブースト広告の前に、まずはアフィリエイト広告を理解しよう

アフィリエイト広告もリワード広告もブースト広告も、成果報酬型のインターネット広告を指します。リワード広告やブースト広告はアフィリエイト広告に含まれ、ブースト広告はリワード広告に含まれるので、「アフィリエイト広告 > リワード広告 > ブースト広告」という関係になります。

アフィリエイト広告とは、アフィリエイトサイト(アフィリエイターが広告を掲載しているWebサイト)もしくはポイントサイトに広告を掲載してもらう形態の広告です。A8.netValueCommerceなどが代表的なアフィリエイトASP(媒体と広告主の仲介会社)になり、広告主はアフィリエイトASPを通じて、アフィリエイトサイトやポイントサイトに広告出稿します。

成果地点(成果報酬が発生する条件)や成果報酬額は、「1クリックで○○円」「1CVで○○円」など、広告主の方である程度コントロールできますが、成果地点のハードルが高すぎたり、成果報酬が低すぎたりすると、広告を掲載してくれるアフィリエイトサイトやポイントサイトが少なくなります。

一般的に、成果地点にはリスティング広告などの他のオンライン広告でCVとしている地点と同じものを設定し、「1CV発生で○○円(運用型広告のCPAより低め)」ECサイトだったら「購入金額の○○%」、のように設定することが多いようです。

アフィリエイト広告の報酬付与方法の分類(直接インセンティブと間接インセンティブ)

直接インセンティブと間接インセンティブ

アフィリエイト広告はインセンティブの付与方法によって2つに分類できます。

「直接インセンティブ」のアフィリエイト広告
「成果を発生させた人」と「アフィリエイト報酬を受け取る人」が同じ
「間接インセンティブ」のアフィリエイト広告
「成果を発生させた人」と「アフィリエイト報酬を受け取る人」が異なる

例)ポイントサイトに広告掲載を依頼した場合

ポイントサイトとは、広告をクリックしたり、広告主の商品バナーをクリックしてからその商品を購入すると、(現金などに交換できる)ポイントが受け取れる会員サイトのことです。広告主は、アフィリエイトASPを通じてポイントサイトに広告掲載を依頼することができます。例)げん玉Pex

アフィリエイト広告(ポイントサイト出稿)の流れと特徴

この場合、成果を発生させた人がポイントサイトから報酬を受け取るので、“直接インセンティブのアフィリエイト広告”になります。

ECサイトなどのWeb上で購買が発生するサービスは「購入金額の○○%」などで成果報酬を設定すれば赤字にはならないので、ポイントサイトへの出稿は行いやすいですが、無料会員登録系(フリーミアムモデル)のようなサービスは、このユーザーが有料会員化したり、有料のオプションなどを使ってくれる確率が低い(成果報酬目的による会員登録の可能性が高い)ので、「本当にこのサービスを使ってくれる(売上が発生する)人は獲得したCVの何%になるか」まで試算して成果報酬額を設定する必要があります。

例)アフィリエイトサイトに広告掲載を依頼した場合

アフィリエイトサイトは個人が運営するWebサイトやブログがメインですが、法人のWebサイトでも広告枠を設けているものもあり、それらもアフィリエイトサイトにあたります。アフィリエイトサイトは、掲載している広告から成果が発生した際に成果報酬を受け取ることができます。

広告主はアフィリエイトASPを通じて、アフィリエイトサイトに広告掲載を依頼することができます。広告を掲載するかどうかはアフィリエイトサイトが判断します。

アフィリエイト広告(アフィリエイトサイト出稿)の流れと特徴

この場合、成果を発生させた人ではなく、アフィリエイトサイトの運営者が報酬を受け取るので、“間接インセンティブのアフィリエイト広告”になります。

間接インセンティブの場合、「成果を発生させた人」には報酬が付与されないため、発生した“成果”は“報酬目的でない純粋な成果”であることが特長です。

リワード広告、アフィリエイト広告、ブースト広告の違い

アフィリエイト広告が分かれば、リワード広告、ブースト広告の理解は難しくありません。まずは図をご覧ください。

リワード広告、アフィリエイト広告、ブースト広告の関係

リワード広告の解説

リワード広告とは、アフィリエイト広告の一種で、提携先Webサイトでアプリのダウンロードや、商品の購入などの成果が発生すると、広告主から媒体に成果報酬が支払われ、媒体が(成果を発生させた)会員に「媒体内で使えるポイント」や「ECサイトで利用できるポイント」などを付与する仕組みの広告です。

直接インセンティブが発生する点は、ポイントサイトと同じなので、同じようなメリット・デメリットがあります。アプリなどに多く見られ、CPI(インストール成果型)でアプリインストールを成果地点とすることが大半です。

アップルは「App Storeのランキングをゆがめる」として、この広告を批判しており「追放」を行っていますが、未だにリワード広告を提供する企業は多いです。

リワード広告の特徴(ポイントサイトとの違い)

  • アプリインストールによる成果課金型が多い
  • バナー、テキスト、記事体裁型など、媒体によって提供している広告フォーマットや表示方法が異なる
  • ソーシャルメディアでのシェアを成果地点にするなど、ブランディング向けの媒体もある
  • 提携サイトのアプリ内通貨やアプリ内で利用できるアイテムなどの成果報酬が多い
  • 「リワードネットワーク」により広告を大規模に配信し、短期間に集客することが可能な媒体もある

ブースト広告の解説

リワード広告の中でも、アプリのランキングを一時的に急上昇させることを目的とした広告のことを「ブースト広告」と呼びます。リワードネットワークなどを利用して、リワード広告を短期間に大量に配信します。

広告自体はあくまでリワード広告であって、これは使い方の話です。アップルがリワード広告を否定しているのは、「リワード広告のブースト利用」という使い方が、インセンティブ目的のアプリのインストールを短期間で急激に増加させ、本当に評価されるべきアプリがランクインしなくなるからです。

アフィリエイト広告の成功パターン

間接インセンティブのアフィリエイト広告を優先

インセンティブ目的の会員を囲っているポイントサイトやリワード広告とは違い、アフィリエイトサイトから発生する成果は純粋な成果と呼べるので、まずはアフィリエイトサイトを使った広告掲載をオススメします。

アフィリエイターがWeb上に紹介ページを作成してくれれば、提携している限りはそのコンテンツはWeb上に残るので、広告クリックが発生しなくても、その後のサーチを発生させ、間接的なコンバージョン貢献や認知拡大の可能性も十分にあります。

ただし、アクセス数が多いWebページを持つ、影響力の高いアフィリエイターの数は限られますし、そもそもアフィリエイターから「この広告を掲載したい」とアフィリエイターから選んでもらわなくてはいけません。

そのため、アフィリエイターに対してメール広告を送ったり、キャンペーンを企画したり、アフィリエイターが集まるイベントに参加したり、アフィリエイトASPの広告メニューなどを使って、様々な手段で広告主はアフィリエイターに対してアピールします。時には特別報酬を設定して、ピンポイントでアプローチすることもあります。特に、紹介ページを作成してもらうためのキャンペーンは積極的に企画すると良いでしょう。

本気で取り組もうとすれば、それなりに大変で時間もかかります。

短期間に多くのコンバージョンを集めるならリワード広告や、ポイントサイトの利用も検討

アフィリエイトサイトだけだと大量のCVを短期間で獲得するのはなかなか難しいです。このような目的の場合は、リワード広告やポイントサイトへの出稿も検討しても良いかもしれません。

これについては、取り扱う商材によって向き・不向きが分かれます。、「Web上で購買が発生する」&「成果報酬を支払っても利益が出る」商品であれば向いています。ECサイトは「購入金額の○○%」で成果地点を設定すれば、赤字のリスクがないので、向いている商材の1つです。ただし、各広告主がアフィリエイターを取り合う、競争が激しい分野でもあります。

フリーミアムモデルのサービス(会員登録後のオプション機能などで購入が発生するサービス)などは、インセンティブ目的ですぐに非アクティブ化するユーザーが多いので不向きです。不向きな商材の場合は特に、「獲得したCVから実際に発生した売上」を算出し、ROASまで見てから継続出稿を判断してください。

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この記事の著者

広瀬 信輔(ひろせ・しんすけ)

マーケティング情報サイト『Digital Marketing Lab』の運営者。

1985年、長崎県佐世保市生まれ。西南学院大学 経済学部 国際経済学科 卒業。

2008年、株式会社マクロミルに入社。現在は同企業のオンラインマーケティング部門の責任者として、デジタルマーケティングを推進。

株式会社イノ・コード 取締役 CMOも務める。

2017年、ディーテラー株式会社を創立。メディアプランニング、Web広告運用、SEO対策、Webサイト制作など、デジタルマーケティング領域のコンサルティング及びアウトソーシングサービスを提供。ビジネスメディアでのコラム執筆やイベント出演、大手企業のマーケティングを支援。

2021年、公正取引委員会 デジタルスペシャルアドバイザーを受嘱。デジタル市場における競争政策の的確な運営のために活動。

著書:『アドテクノロジーの教科書』(版元:翔泳社)

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