リンクジュースとページランク

【予備知識】ページランク(Google PageRank)とリンクジュース(Link Juice)

ページランク(PR)とは

ページランク(Google PageRank)とはGoogleが示すWebページの重要度の指標であり、Googleはリンクを、リンク元サイトからリンク先サイトへの「支持」と捉えます。多くのサイトからリンクを受けることは多くのサイトに支持されていることと同義であり、それを示す数値的な指標がページランク(PR)です。これが検索順位を決定づける指標の1つになっています。

ただし、ここで注意しないといけないのが、Googleが見ているページランクと、僕たちが見ているページランクには乖離があることです。著者たちが認識できるページランクはWebツールやGoogleの拡張機能やツールバーで確認できるものでTBPR(ツールバーページランク)と呼ばれ、0~10までの整数値(小数点以下切り捨て)で表示されますが、Googleは小数点以下までの詳細なものを使用しています。この少数の値の差が実は大きな差になるのです(後述)。また、TBPRはリアルタイムに更新されるものではありません(3ヵ月に1回くらい)。

ページランクを常に表示させるツール
PageRank Display

リンクジュースとは

リンクジュースとはWebページのリンクを伝って流れるリンクの「価値」であり、検索順位を決定する際の要素の1つです。その価値は量(リンクを受けている本数)×質(リンク元サイトの品質・関連性)で決まります。

「ページランクはリンクジュースがどれくらい集まっているかの指標」と考えてください。

ページランクの計算式

ページAのページランクを求める計算式

P(A)=(1-d)+d{PR(T1)/C(T1)+...+PR(Tn)/C(Tn)}

【前提】
Webページを回遊する訪問者の総量を1とし、一定時間後に移動するものとします。訪問者はそのページからリンクされているページのいずれか1つへ移動する(d:おおよそ85%)か、全ページのどれかのページにランダムに移動する(1-d:15%)かします。
※d:ダンピングファクター

dはGoogleが0~1までの固定の値を決めており、質の悪いサイトはdの値を低くして調整しているようです。計算上は0.85を代入することが多いようです。

PR(Tn)はページAにリンクを発しているページTnのページランクを表し、C(Tn)はページTnの発リンク数を表します。

ただし、ここでのPRはツールバーの数字そのまま(以降prとする)ではなく、そのページランクが持つ「リンクジュース量」に換算して計算します。これは6を底とする対数で計算され、6pr=リンクジュース量(PR)となります。

※あくまで理論値です。
  • ページランク1.0の必要リンクジュース量:(1-0.85)+0.85×61.0=5.25
  • ページランク2.0の必要リンクジュース量:(1-0.85)+0.85×62.0=30.75
  • ページランク3.0の必要リンクジュース量:(1-0.85)+0.85×63.0=183.75
  • ページランク4.0の必要リンクジュース量:(1-0.85)+0.85×64.0=1,101.75

例えば、被リンク・発リンクがないページAのリンクジュース量は、1-0.85=0.15となり、ページランク1のリンクジュース量は「5.25」なので、ページランクは0になります。

ここにページランクが2.0ある別のページからリンクを1本貼ると、(1-0.85)+0.85{62/1}=30.75のリンクジュースを受け取り、ページAの0.15が足され、ページ内のリンクジュース量が「30.9」になるので、ページランクが2に上がります。

ただし、リンク元ページからページAの他に4本の発リンクがあった場合、リンク元ページの発リンク総数は5本となり、ページAに渡すリンクジュース量が(1-0.85)+0.85{62/5}=6.27になり、ページAの0.15が足され、ページ内のリンクジュース量が「6.42」になるので、ページランクは1になります。

これらはただの理論です。実践では役に立ちません。しかも完全なアルゴリズムが公開されているわけでもないので憶測です。ただし、予備知識として持っておくと「うちのサイトのページランクが上がらないんだけど」と上司からツッコミを受けた時とかに役に立つかもしれません。

また、現在はこれよりも定義が複雑になっているはずなのでこの式自体が怪しいです。ただし、仕組みを理解するという意味では多少役には立ちます。公式から次のようなことが言えると思います。

  • ページランクが低いページより高いページからリンクを受けた方が、ページランクが上がりやすい
  • 発リンク数が多いページより少ないページからリンクを受けた方が、ページランクが上がりやすい
  • ページランクはサイト単位でなく、ページ単位で計算される
  • Googleが見ているPRとツールバーのTBPRには差がある
    例)同じページランク3でも63.063.9とではリンクジュース量の差が約6倍!(しかもTBPRは過去のもの)

これだけ分かっていればOKです!

ページランク別Webサイトの例

ページランク別Webサイトの例
  • ページランク10:アメリカ政府公式サイト、twitter
  • ページランク7~9:Google、Yahoo!、facebook、慶應義塾公式サイト
  • ページランク5~6:人気が高いWebサイト
  • ページランク4:人気があるWebサイト
  • ページランク3:平均的な評価のWebサイト
  • ページランク1~2:人気が低いWebサイト
  • ページランク0:評価なし

被リンク指数(HIS)

ここまでのまとめ

ページランクが上がれば上がるほど、次のページランクに必要なリンクジュースの量は指数関数的に増えていくことになります。

例えば、ページランクを1.0から2.0に上げるために必要なリンクジュースの量は62-61=30になります。
ページランクを2.0から3.0に上げるために必要なリンクジュースの量は63-62=180になります。
ページランクを3.0から4.0に上げるために必要なリンクジュースの量は64-63=1080になります。

つまり、ページランクを1つ上げるには今まで集めたリンクジュースの「6倍」の量が必要となるわけです。

そしてそれは、リンク元のページランクだけでなく、発リンク数によっても大きな影響を受けます。ページランクの計算式の「PR(Tn)/C(Tn)」にあるように、発リンクが多ければ多いほど、受け取るリンクジュースは減ってしまうので、PRが高いサイトからのリンク=優良なリンクとは言えません。

被リンク指数(HIS)

ページランクの計算式の「PR(Tn)/C(Tn)」のことを被リンク指数(HIS)と呼びます。あくまで理論上ですが、この数値が高いほど「重要度の高いリンク」と言っていいでしょう。

被リンク指数を調べるツール
hanasakigani.jp
被リンクを調べるツール
OPEN SITE EXPLORER

【本題】リンクジュースをコントロールする

「rel="nofollow"」と「Page Rankスカルプティング」について

ここからはリンクジュースをいかに濃く特定のページ(SEO対策したいページ)に流すかということについてです。ざっくりお話しすると、このnofollow属性というのは、もともとコメントスパム(他人のブログなどに自サイトのリンクを貼って、リンクジュースを流す)などのスパム対策のために作られたもので、クローラーはこれがついているリンクを無視してリンクを辿りません。なので、リンクジュース(Page Rank)も渡しません。

これを応用して過去に流行ったSEO手法が「Page Rankスカルプティング」です。これは自サイトのリンクの中で、上位表示が不要なページ、例えば「お問い合わせフォーム」や「プライバシーポリシー」などのページ内のリンクや、「外部サイト」へのリンクにnofollowをつけて、リンクジュースを流さないようにするやり方です。

これを行うことにより、本来リンク先に渡すはずだったリンクジュースを余らせて、その分他のリンクへのリンクジュースを濃くすることができました。

age Rankスカルプティングのイメージ

今は使えないPage Rankスカルプティング

以前は、上記のようにnofollow属性でリンクジュースを濃くすることができました。ただし、この手法は現在使えません。なぜなら、今はnofollowで渡さなかったリンクジュースは、余るのではなく消滅するからです(残念↓)。

現在のnofollowのイメージ

現在におけるリンクジュースのコントロール(nofollow属性の使いどころ)

「Page Rankスカルプティング」ができなくなったことによって、リンクジュースをコントロールする必要がなくなったかのように思えますが、そうではありません。信頼性の低い、または関連性の薄い外部リンクにはnofollowをつけるべきだと思います。

ただ、内部リンクに関してはGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏も「nofollowは不要」と言っているので、つける必要はないようです。

著者は外部リンク(発リンク)について、「リンク元」と「リンク先」の関連性が強ければ、SEO効果は期待でき、双方にとってプラスに作用すると考えており、nofollowを使用しないリンクを使用しています。そして、極力テキストリンクでテーマ性を強調するようにしています。逆に、自サイトと関連性が薄いサイトへのリンクはnofollowを使用するようにしています。

【まとめ】nofollow属性の使いどころ
  • 関連性が低い外部サイトのページへのリンクはnofollow
  • 関連性が薄い外部サイトのページへのリンクはnofollow
  • 内部リンクはnofollowを使用しない
  • 関連性が高いページ(内部リンク・外部リンク両方)へのリンクは極力アンカーテキストリンク(テーマ性強調のため)

今までリンク元とリンク先の関係について「リンクジュースを渡す」という言い方をしてきましたが、この言葉の意味は2つあり、1つはリンク元のジュースが減らない「伝わる」という考え方、もう1つはリンク元のジュースが減る「漏れる」という考え方です。これは『SEOにおけるリンクジュースの流れについて、図解で説明しよう|Web担当者Forum』の記事の考え方がもとになっています。著者はどちらもあり得ると考えており、「渡す」という言い方をしてきました。

『Web担』さんでは、基本的な考え方は「内部リンクは漏れる」「外部リンクは伝わる」としており、この説明は納得できます。著者もそのように考えていますが、頭の中はもっとシンプルで、「ユーザーにとって嬉しいリンク(関連性が高いページへのリンク)なら積極的に(nofollow不要)」「そうでないなら、リンクしないかnofollow」と考えています。

あまり理論に拘らなくても、検索エンジンがユーザーの方を向いてアルゴリズムを考えたり、アップデートしたりしているのであれば、こっちも同じ方向を向いて(時には理論をチラ見しながら)Webサイトを作っていれば、自分がやっていることとSEOがそんなにズレることはないように思います(もちろんSEOに関するある程度の知識は必要です)。

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この記事の著者

広瀬 信輔(ひろせ・しんすけ)

マーケティング情報サイト『Digital Marketing Lab』の運営者。

1985年、長崎県佐世保市生まれ。西南学院大学 経済学部 国際経済学科 卒業。

2008年、株式会社マクロミルに入社。現在は同企業のオンラインマーケティング部門の責任者として、デジタルマーケティングを推進。

株式会社イノ・コード 取締役 CMOも務める。

2017年、ディーテラー株式会社を創立。メディアプランニング、Web広告運用、SEO対策、Webサイト制作など、デジタルマーケティング領域のコンサルティング及びアウトソーシングサービスを提供。ビジネスメディアでのコラム執筆やイベント出演、大手企業のマーケティングを支援。

著書:『アドテクノロジーの教科書』(版元:翔泳社)

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