リスティング広告の広告グループ設計
広告ランクと品質スコア(Google)・品質インデックス(Yahoo!)の理解
とっても重要! 入札額が低くても品質が高ければ上位表示される!
リスティング広告の表示順位は「入札額」だけで決まる訳ではなく、「入札額」×「品質」で決まります。この「入札額」×「品質」のことを「広告ランク」と呼びます。つまり、入札額が低くても品質を高くすることができれば、広告ランクが高くなり、入札額が高い他社の広告よりも上位に表示させることができるようになり、よりクリックしてもらえるようになります。これはCPAを下げるための有効な施策です。
『キーワードグループを作成する』のところで、キーワードを細かくグループに振り分けた理由はここにあります。著者が推奨するリスティング広告のアカウント設計が細かいのは、この「品質を高めやすいアカウント構造」を作るためです。
品質については、GoogleもYahoo!もキーワードごとに10段階で設定しており、管理画面上で確認できます。このキーワードごとの“品質”のことをGoogleでは「品質スコア」、Yahoo!では「品質インデックス」と呼びます。
品質に影響を与える要素
- キーワードと広告のクリック率(過去の実績も含む)
- 同一広告グループ内のキーワードと広告のクリック率(過去の実績も含む)
- アカウント内全てのキーワードと広告のクリック率(過去の実績も含む)
- リンク先ページ(ランディングページ)の品質
- リンク先ページ(ランディングページ)とキーワードの関連性
- キーワードと広告グループ内の広告との関連性
- キーワードおよび表示される広告と検索クエリとの関連性
- 広告が表示される地域でのアカウントの掲載結果
- その他の関連性に関する要素
- 同一キーワードなどで広告を出稿している他社の広告との相対比較
ポイントは、「品質はキーワードだけでなく、所属する広告グループやアカウントの影響を受ける」というところです。これをプラスに作用させるためのアカウント設計を行っていきます。
品質を高めるための広告グループ設計
前回までの復習
ここからは、『キーワードグループを作成する』の続きになります。キーワードグループを作ったことで、同じ意味のキーワードグループをまとめることができました。
このキーワードグループそれぞれを広告グループとすれば基本的にはOK(※検索クエリ(キーワード)に広告文(広告グループ)を合わせることで必然的にクリック率が上昇する)なんですが、ただし、1キャンペーン内に作成できる広告グループの数には上限がありますので、そこは注意しておきましょう。
【手順1】キーワードを“プラス”と“マイナス”に分けて、キーワードグループから広告グループを作成する
なぜ“プラス”と“マイナス”に分けるかと言うと、上の「品質に影響を与える要素」にもあるように、品質には同一広告グループ内のキーワードと広告のクリック率が影響します。
つまり、実際に運用をしてみて効果が良かったキーワードを“プラスのグループ”に、悪かったものを“マイナスのグループ”に仕分けしていくことで、広告グループ(プラス)の品質を改善することができます。
マイナスのグループは品質が悪化しますので、キャンペーンの予算や入札単価を下げたり、不要なキーワードを除外設定するなどして、小さく運用していきます(プラスのグループの残りの予算で運用するイメージ)。それでも効果が悪い場合は、キーワード ➝ 広告グループ ➝ キャンペーンの順番で停止や削除を検討します。
しかし、この段階ではキーワードの良し悪しが判断できないので、深く考えず適当に“プラス”“マイナス”を振り分けてください。実際に効果を検証しながらの仕分けは『広告グループの再設計』で行います。
【サンプル】アカウントが完成するまで(その2)~広告グループ~
【手順2】キーワードマッチの数だけ広告グループを複製する
同一キーワードや類似キーワードの入札において、どのキーワードやキーワードマッチが優先されるかについて考えておく必要があります。以下にまとめましたので、ご覧ください。
- 【参考】AdWordsヘルプ:「検索クエリと一致する複数の類似したキーワードの取り扱い」
-
- 検索クエリと全く同じキーワードがある場合 ➝ 正確に一致するキーワード優先
-
- 検索クエリと全く同じキーワードがある場合 ➝ 正確に一致するキーワード優先
- 全く同じキーワードで異なるキーワードマッチ ➝ より限定的なキーワードマッチ優先
- e.g. 検索クエリ「配管工講習」 部分一致「配管工講習」 完全一致「配管工講習」 ➝ 完全一致優先
- 広告グループの複数の部分一致キーワードが検索クエリと部分的に一致 ➝ 広告ランクによって決定
- e.g. 検索クエリ「配管工講習」 部分一致A「配管工(ランク:3)」 部分一致B「配管(ランク:6)」 ➝ 部分一致B優先
上記の通り、色々なルールによって最終的に表示されるキーワードが決まるので、キーワードマッチごとにキャンペーンを分けておくと予算運用が楽です。特に「広告ランク」が関係するとなると、「完全一致の指名キーワード」はスコアが上がりやすいので、個別に運用できる方が良いです。
今まで作成した「広告グループ」を「キーワードマッチの数」だけ複製します。
【サンプル】アカウントが完成するまで(その3)~広告グループ×キーワードマッチ~
※完全一致:A 部分一致:B
この記事の著者
広瀬 信輔(ひろせ・しんすけ)
マーケティング情報サイト『Digital Marketing Lab』の運営者。
1985年、長崎県佐世保市生まれ。西南学院大学 経済学部 国際経済学科 卒業。
2008年、株式会社マクロミルに入社。現在は同企業のオンラインマーケティング部門の責任者として、デジタルマーケティングを推進。
株式会社イノ・コード 取締役 CMOも務める。
2017年、ディーテラー株式会社を創立。メディアプランニング、Web広告運用、SEO対策、Webサイト制作など、デジタルマーケティング領域のコンサルティング及びアウトソーシングサービスを提供。ビジネスメディアでのコラム執筆やイベント出演、大手企業のマーケティングを支援。
2021年、公正取引委員会 デジタルスペシャルアドバイザーを受嘱。デジタル市場における競争政策の的確な運営のために活動。
著書:『アドテクノロジーの教科書』(版元:翔泳社)
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