ITP(Intelligent Tracking Prevention)とは

ITPとは、Intelligent Tracking Prevention(インテリジェント・トラッキング・プリベンション)の略で、ユーザーのプライバシー保護を目的として、AppleWebブラウザ「Safari」に搭載されたトラッキング防止機能です。これにより、サイトを横断したトラッキング(クロスサイトトラッキング)に制限がかかります。

2019年現在もアップデートを続けており、リターゲティング広告の配信やコンバージョン計測への影響が大きくなってきました。マーケターは自社ユーザーのSafariブラウザ比率を確認し、影響度合いをチェックしておいた方が良いでしょう。

ITPによるSafariブラウザのCookie保持期間の変化

重要用語の解説

  • インタラクション:クリック、フォーム入力、ログイン、ページ遷移などのユーザーがWebサイト内で行う“操作”のこと。
  • 1st Party Cookie:ユーザーが訪問しているWebサイトのドメインから直接発行されているCookieのこと。
  • 3rd Party Cookie:ユーザーが訪問しているWebサイトのドメイン以外から発行されているCookieのこと。

ITP 1.0

対象:iOS 11.0以降のSafariブラウザ

3rd Party Cookie
  • ユーザーの最後のインタラクションから24時間でCookie無効化
  • インタラクションの無いCookieは24時間を待たずに無効化
  • インタラクションの有無を問わず、発行から30日でCookie削除

ITP 2.0

対象:iOS 12.0以降のSafariブラウザ

3rd Party Cookie
  • Cookieを即時無効化(発行から30日でCookie削除)
1st Party Cookie
  • 4つ以上のドメインからリダイレクトされている場合、3rd Party Cookieと同じ扱いとなり、無効化・削除対象
リファラー取得
  • トラッカー判定されたドメインから取得できるリファラー内容のダウングレード(完全なURLではなく、ドメイン単位までしか取得できない)
  • 例:aaa.bbb.com/ccc/?id=ddd → aaa.bbb.com

ITP 2.1

対象:iOS 12.2以降のSafariブラウザ

【補足】ITP 2.0までは、無効化 → 削除というステップがありましたが、ITP 2.1以降は3rd Party Cookieも1st Party Cookieも単純に「削除」処理されるようになりました。

1st Party Cookie
  • Javascriptで生成したCookieにおいて、ユーザーの最後のインタラクションから7日でCookie削除
  • サーバーサイドで生成したCookieは対象外(CNAMEトラッキングは有効)

ITP 2.2

対象:iOS 12.3以降のSafariブラウザ

1st Party Cookie
  • Javascriptで生成したCookieにおいて、ユーザーの最後のインタラクションから24時間でCookie削除
    ※以下の条件に当てはまる場合
  • 【条件】トラッカー判定されているWebサイトから流入し、かつLPのURLにパラメータやフラグメントが付与されている
  • サーバーサイドで生成したCookieは対象外(CNAMEトラッキングは有効)

ITP 2.3

対象:iOS 13以降のSafariブラウザ

ストレージ
  • 対象ストレージ:ローカルストレージ
  • 前提条件:トラッカー判定されているWebサイトから流入し、かつLPのURLにパラメータやフラグメントが付与されている場合
  • ユーザーの最後のインタラクションから7日でストレージデータ削除
  • インタラクションが無い(≒ 直帰)場合、即時ストレージデータ削除
リファラー取得
  • トラッカー判定されたドメインから取得できるリファラー内容のダウングレード(サブドメイン、URLパス、クエリ文字列の取得不可)
  • 例:aaa.bbb.com/ccc/?id=ddd → bbb.com

ITP 「Full Third-Party Cookie Blocking and More」

対象:iOS 13.4以降のSafariブラウザ

参考:Full Third-Party Cookie Blocking and More|WebKit

3rd Party Cookie
  • 例外なく、全てブロック
ストレージ
  • 対象ストレージ:SessionStorage、Service Worker、Indexed DBなどのストレージ
  • 前提条件:トラッカー判定されているWebサイトから流入し、かつLPのURLにパラメータやフラグメントが付与されている場合
  • ユーザーの最後のインタラクションから7日でストレージデータ削除
  • インタラクションが無い(≒ 直帰)場合、即時ストレージデータ削除
リファラー取得
  • Javascript「document.referer」によるリファラー取得内容のダウングレード(サブドメイン、URLパス、クエリ文字列の取得不可)
  • 例:aaa.bbb.com/ccc/?id=ddd → bbb.com

iOS14

対象:iOS 14以降のブラウザ

IDFA利用時の制限
  • IDFAを利用するためにはアプリ単位でユーザーの同意を得ることが必須となる
  • アプリの初期値は利用不可となっており、許可をしたユーザーのデータしか収集できない(iOS13以前は初期値ON)
アプリ内ブラウザがITPの対象となる
  • アプリ内ブラウザ(ウェブビュー)において、ITPが適用される
  • これまでのITPでは、Safariブラウザが対象となっていたが、Google ChromeやFirefoxであってもiOSから開かれるブラウザにはITPが適用される
  • ウェブビュー以外にもアプリに掲載されるリンクをクリックし、Safari以外のブラウザを開いた場合もITPが適用される
バウンストラッキング無効機能の搭載
  • Webサイト遷移時にCookie判別不能にする機能が搭載され、リダイレクトによるデータ取得が無効化される → Cookieシンク対策

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